2010年は年間を通じて円高の年

FX投資家のための2010年から2011年の為替相場を特集しているサイト。FX初心者の方のなぜ今、円高なのか?という疑問にこたえます。2011年FX業界ではレバレッジ25倍をむかえますので、しっかりFX比較などをして間違いのないFX業者選びをしましょう。

2010年は年間を通じて円高の年

2010年は年間を通じて円高の一年でした。ドル円相場の高値は5月3日の94円68銭、安値は10月29日の80円48銭(いずれもNY市場正午のレート)ですから、この間14円20銭15.0%のドル安円高となったわけです。一方、ユーロ/円相場も、1月11日の133円59銭から9月9日の106円53銭(同)まで、27円06銭、20.3%のユー口安円高になっています。だ、主要通貨に対する円の総合的な価値を表す名目実効為替レート(日銀ベース)でみても、4月の109.23から10月の122.18 (2005年=100)へ11.9%も円か上昇しました。

 

昨年の円高の背景として、欧米におけるバブル後遺症、アジア経済高成長の恩恵、円の再評価の3点があったと考えています。それではその3点を詳細にみていきましょう。

世界の金融市場

 

欧米におけるバブル後遺症

米国は、1980年代の半ばを境に、経済の成長構造が、それまでの製造業から金融業中心に変化しました。このため、経済取引の規模を表す名目GDPに対する負債(借入と株式)比率は、1945年から84年までほぼ300%で推移しましたが、90年には345 %、2000年には431 %、07年には471%と文字通りバブルのように膨張しました。しかし、サブプライム・ショック(不動産バブルの崩壊)やリーマン・ショック(金融危機)を契機に80年来の金融バブルが崩壊した後においても、負債比率は453%(09年末)といぜん著しい借入過多の状態が継続しています。したがって、今後数年間、負債比率が300%程度まで下落する正常化の過程が継続し、米国経済はその間低成長の調整局面を余儀なくされると考えられます。

 

2000年代のバブル後遺症

前述の通り、米国では、80年代以来の金融バブルの後遺症に加えて、2000年代に発生した不動産バブルの調整もこれからが本番です。

 

一般家庭に代表される家計部門が保有する不動産の総額(名目GDP比)は、1945年から90年代の終わりにかけて、緩やかな増加傾向をたどっていましたが、2000年代に入ると、それまでのトレントを逸脱して急増しました。 97年末に名目GDPの106%であった家計部門が保有する不動産総額は、2006年末には171 %と9年間に65%も増加しました。 しかし、07年のサブプライム・ショックを契機に不動産バブルが崩壊すると、価格の急落により不動産総額は急減し、09年末には116%となります。絵に描いたように不動産バブルの膨張と破裂がみてとれます。

 

御多分にもれず、00年代における米国の不動産バブルも借金によって引き起こされました。住宅ローンの名目GDP比率をみると、97年末の45%を起点にそれまでのトレントを逸脱して増加をはじめ、07年末には75%に達したことがわかります。しかし、09年末の同比率はいぜん73%と不動産バブル崩壊後も高止まりを続けています。このため、不動産総額に対する住宅ローンの比率は05年末の0.40から09年末には0.62と異常な水準まで高まり、家計部門が歴史的な借入過多の状態に陥ってしまっていることがわかります。

 

これは、次のことを表しています。まず、第一に、不動産市況の本格回復には、住宅ローン比率が0.40程度まで低下することが不可欠でしょう。第二に、住宅価格がさらに低下すれば、家計部門は、より一層の借入過多状態に陥ることになります。第三に、このような状態では、家計部門は米国経済の7割を占める個人消費を抑制せざるを得ず、当面、米国の経済成長率は、低く抑えられることでしょう。

 

 

GSE問題の再浮上

前述した通り、2000年代の不動産バブルを先導したのは住宅ローンでしたが、同期間における住宅ローンを含めた不動産ローンの増大に重要な役割を果たしたのは、ファニー・メイ、フレディー・マックといったGSE(政府支援公社)とよばれる住宅金融公社でした。米国の不動産ローン(名目GDP比率)は、1997年末の61%を起点にそれまでのトレントを逸脱して増大に2007年末には103%に達しました。また、09年末にはいぜん101%と、高止まりしています。この間のGSEによる不動産ローン(名目GDP比率)をみると、97年に25%から09年には43%までほぼ倍増しています。すなわち、GSEは、同期間の不動産ローン全体の増加分の約半分を担ってきたことになり、00年代の不動産バブルを主導したのはまさにGSEであったといえるでしょう。

 

前述の通り、不動産バブルが破裂し、不動産総額は07年以降3割以上減したため、貸し出しは不良債権化し、GSEは、08年に事実上破たんし国有化されました。このときつぎ込まれた血税は1450億ドルに上ります。現在、米国政府は、官民合同で、GSEの改革案を検討しており、本年1月にも発表される予定です。 GSE改革による納税者の負担は最大で1兆ドルに上るとの試算もあり、すでに悪化している米国の財政と経済に与える影響は甚大なものになりそうです。今年一番のホットなドル売りのテーマはGSE問題かもしれません。

 

 

ユーロ・クライシスの行方

欧州の財政・金融危機に関しては、昨年、多くのメディアで取り扱われましたので、ここでは、簡単に経緯を振り返ったうえで、要点(BulletPoints)を押さえておきましょう。ユーロ危機の発端は、09年11月に発覚したギリシヤの放漫財政でした。これを契機にギリシヤは財政危機に陥り、同国の国債に債務不履行の懸念が高まりました。これに対して、10年5月、EU(欧州連合)とIMF(国際通貨基金)が、厳しい経済改革を条件にギリシヤに対して1100億ユーロに上る支援で合意しました。

 

また、危機は、同様に財政問題を抱えるPIIGS(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシヤ、スペイン)に波及するとの懸念が強まったため、EUとIMFは、対抗策として、総額7500億ドルの安定化パッケージで合意しました。ところが、10年の後半になると、今度は、不動産バブル崩壊によって債務超過に陥った銀行を救済するために、アイルランドが財政危機に陥り、同国の国債に債務不履行の懸念が高まりました。このため、10年11月に、EUとIMFによって、総額1100億ユーロに上るアイルランド支援策が取りまとめられました。

 

しかしながら、いぜん金融市場の欧州に対する危機感は煉り続けており、財政危機が、アイルランドに続いてポルトガルやスペインに伝播するとの見方が強まっています。ポルトガルは、ギリシャのような放漫財政による財政赤字が、スペインは、アイルランドのような不動産バブル崩壊による銀行危機が懸念されるところです。

 

この間、大手格付け各社によって、ギリシャの格付けが投機的水準まで引き下げられたほか、アイルランドも大幅な格下げとなり、また、現在は、これら二国の追加格下げと、ポルトガル、スペイン、ベルギーの格下げが検討されています。

 

以上が、今回のユーロ危機の大まかな経緯ですが、次に、Bullet Pointsを押さえておきましょう。第一に、欧州は、統一通貨ユーロが創設されて以来、最大の危機に瀕しているとの認識が必要です。第二に、ユーロ危機の本質は、2000年代半ばのバブルの後遺症として表面化した財政危機であるという点です。すなわち、欧州経済もまた、前述した米国経済と同様に2000年代の好景気バブルの後始末に苦悩しており、この危機は、短期間では収束しない可能性が高いということです。ただ、当初は、対応が後手に回っていた欧州の政策担当者達も、危機発生から1年が経過し、危機の封じ込めには成功してきています。これが第三の点です。

 

第四に、共通通貨ユーロの存在が危機を複雑化しているという点です。普通、ある国が、経済危機に見舞われると、通貨が暴落して危機が深刻化する一方、その後、通貨下落による輸出競争力の回復によって経済状況は急速に好転します。しかし、欧州の場合、統一通貨ユーロの存在から通貨暴落は回避される一方、通貨下落による輸出競争力の回復にも限界が生じています。メキシコ危機(94年12月)やアジア危機(97年10月)時のメキシコ・ペソや韓国ウォンに比べて、今回のユーロ下落は明らかに緩やかものです。また、主要通貨に対するユーロの実態的な価値を反映した実質実効為替レート(詳細は後述)は、ユーロ危機にかかわらず、高止まりしています。

 

第五に、ユーロ・システム崩壊の懸念があるということです。上述の通り、単一通貨ユーロの存在によって、欧州諸国は、大幅な通貨下落による輸出競争力の回復という危機脱出の手立てが封じられているわけです。このため、ユーロ・システムを維持する限りは、ユーロ圏内の最強国ドイツの税金によって問題国の財政赤字を穴埋めしなければならないというジレンマが生じてしまいます。ドイツがこの負担に耐えられなくなり、ユーロ・システムが崩壊するというストーリーです。ただ、ドルや円といった各国通貨制度を20世紀のシステムとすれば、ユーロのような共通通貨制度は、21世紀的な進化したシステムというのが本質であり、おそらく存続するであろうというのが筆者の見解ですが、その詳しい説明は、サイト構成上の都合から、またの機会としたいと思います。

 

 

2010年の為替相場(FX)を回顧するうえで最も覚えておきたいことは「欧米経済はデフレ圧力に苦しんだ」ということです。

 

前述の通り、欧米経済は、2000年代の半ばに発生した経済バブルの後遺症のいまだ真っただ中にあります。バブルの後遺症とは、経済規模の縮小や資産価格の下落の一方、借金が高水準のまま残ることによって生じるバランス・シートの調整圧力です。それは、実際の経済統計に表れており、欧米では、最近やや反発の兆しがみられるとはいえ、銀行貸し出しの伸びはいぜん低迷しています。

 

物価上昇率の低下が継続し、デフレ懸念すら出てきています。ここでは、欧米経済におけるバブルの後遺症、すなわちバランス・シートの調整圧力による低成長や財政危機が、ドル安、ユーロ安を通じて、今年の円高の主因であったと捉えておくことが大切です。

 

米国では週間新規失業保険申請数が予想外に増加したほか、基準金利操作の疑いで米当局が調査に乗り出したとの報道を受けた金融株の下げは懸念される。一方、中国では1-3月国内総生産(GDP)、3月の消費者物価指数、生産者物価指数、鉱工業生産指数、小売売上高が予定されており、機械株など中国関連企業への物色材料になる可能性。そのほか、日経平均は5日、25日線レベルでの攻防ではあるが、9600円処での底堅い値動きによって、来週には一目均衡表の雲突破および遅行スパンの上方転換シグナル発生の可能性に近づいている。原発問題、本格化する決算発表を見極めたい流れから震災前の水準を回復するといった流れはないにせよ、FX売買シグナル発生によって1万円大台への意識も徐々に高まりそうだ。為替相場(FX)ではドル円が円高トレンドが発生するであろう。